現在でも一番利用頻度が高いのは、大工さんでしょう。

　これは、従来その大工さんが知り合いであったり、ご近所であったりして、簡単に頼みやすかったからです。 なので小さい工事は、大工さん（中には工務店）と思われる方も多く、〝顔が利く〟場合は、特にいい材料で、比較的価格の安いものを提案してくれたり、きっちり予算の中で仕上げてくれるというメリットがあります。　 　

   しかしながら、ライフスタイルを変えたい、使い勝手をよくしたいなどを希望された場合、その大工さんが果たして、希望するイメージを理解し、提案ができるのかどうかを冷静に見極めないといけません。 基本的にプランや設計は弱い方が多いものです。

 　 一方、リフォーム専門業者といえば、リフォーム工事を専門にしているわけですから、マンションのリフォームや間取り変更などは、こちらのほうが経験もアイデアも豊富と理解できます。もちろん、いくらプランがよくても、使う機器や建材によってイメージが、かなり変わります。 　　 でも、工事をするところは、結局は、協力会社（下請けとも言います）の工務店となるので、ハウスメーカーの家づくりの図式と同じく、理屈で言えば工事金額は、大工さんや工務店などより必ず高くなるはずです。 よって、その工事に関しても、自分の家が特殊な工法やマンションである場合は、同タイプの工事経験が豊富な工務店や専門にしている業者に頼んだほうがいいでしょう。

 　 リフォームの場合は、設備機器交換など小規模でも頼まなくてはならないケースがありますが、こういう工事は総合工事請負会社などに頼まず、その分野の業者に頼むのもひとつの方法です。 　 つまり、リフォームへの要望をきちんとしたカタチにするためには、営繕・請負 そして提案の要望によって、依頼先を替える必要があると言えます。ふすまの張り替えだけであれば、直接ふすま屋さんに言えばいいのです。

リフォームでは、建物や要望によって、臨機応変に技術を使いこなすことがとても大事になってきます。リフォーム業者でも技術的には、どんな事でもできるのですが、どういった種類の工事をどれだけの数をこなしているかで自然にその業者の得手、不得手ができ、出来上がりに差が出てくるようになります。 

あなたもそうした業者の事情を知っていれば、もしくはあまり経験のない業者だとわかっていれば、とんでもない出来上がりになることは察しがつくでしょうが、この点を知らなければ、やはり多大な期待をして任せてしまうことになるでしょう。

でも、いくら知らなかったとはいえ、頼んでしまった以上は、依頼者側にも責任はあります。リフォームでは、こんなことがトラブルに発展する一因であったりします。

意外に多いのが、建築知識の乏しい会社に耐震補強や増改築など構造体をさわる工事などを依頼すると高額になったり、取り返しのつかない工事をしたりする会社もあったりします。

そのためには、まずは、さまざまな業者の選択をじっくり考えて、リフォーム工事を依頼する前にやってみたいことを列記してみましょう。それだけでも、ある程度適正な依頼先は見えてきます。

マンションのリフォームを一戸建て専門業者や未経験の大工さんに頼むと、事前に管理組合に通告して、許可を得てから工事をすすめる　といったマンション特有のルールを考慮しないことがよくあります。
　
こうした決まりや注意点を知った上でリフォームしてもらわないと、マンションでは、大きなトラブルになることがあるのです。ですので、一概には言えないのですが、リフォームしているからという基準で判断するのではなく、マンションのことを理解している経験がある会社が理想と言えます。

増築工事などでは、大工職人の他に左官、設備工事、屋根など、いろいろな人の手を借り、お互い都合しあって仕事をします。

小さな営繕や設備程度の工事などしかしたことがない会社では、監督者などは不在であることが多く、自然にまとまった工期が取れなかったり、肝心なときに必要な技術者が来てくれなかったりで、仕事が途切れ、途切れになることが多くあります。

つまり下請けの都合による工程となるケースが多いのです。

だから、事後処理やメンテナンスについても、同様の理由でなかなか来てくれない結果になることも多いのです。大工さんの場合は、監理者不在、悪いリフォーム業者などは、資金面で苦しいときは、余ったものを使えば、その分材料費がかからなくてすむから使うこともあったりします。

もちろんリフォーム業者の全てが、こうした業者ばかりではありませんが、中には、そのような業者がいることも知っておきましょう。　しかしながら、小さい工事も頼みやすく、小回りがきくという点では、手軽にやってもらえる大工さんには、どこもかなわないでしょう。

水道の漏れを大工さんが見ても何の解決にもならない。大工さんがさわって、トラブルが生じても、発注先や技術者の選択を間違えた依頼者側の責任でもあります。適材適所なのです。

知り合いや親戚に“家づくり”を頼むかたがおられますが、何か問題があった場合、結局は、気兼ねして我慢することが増えることになり、クライアント側である施主・建て主がクレームがつけにくくなり、ストレスになったりします。

知り合いというだけで、遠慮がうまれ、リフォームが目的であるにもかかわらず、事後のお付き合いのことまで考えて、後悔される方も多いようです。知り合いであるなら、場合によってはこちらの事情をよく飲み込めているという最大のメリットもありますが、そのようなデメリットも同時にあることを知った上でご依頼しましょう。

楽しいはずの家づくりが、遠慮や気疲れなどによる過大なストレスにだけはならないでください。 

意外に多いですよ。この後悔。

リフォーム業者は、原則的に地域密着型の会社が理想とされています。そのためには、何か問題が発生した場合、今までの事を水の泡にさせないように、仕事に対する責任を自らに課しているところに頼むのがよいでしょう。

依頼する前に、経営者または営業責任者などと話をするのもいいでしょう。

あなただけは決して、営業マンとだけのお付き合いをするようなことは避けるべきで、その理由は、退職・転職すれば、一切ご縁がなくなるからです。 

繰り返し何度もいいますが、邪魔臭い、面倒だから・・・という理由だけで１社にだけ依頼せずに、リフォームは、規模・内容によって、業者の依頼先を使い分けるのが一番です。

実は、これは出来上がってしまった現場に関しては、あまり効果はありません。

というのも業者は、施工状態のよい現場にしか、とかく案内しないからなのです。

それよりも、ご近所で施工されている時に見せてもらうなど、施工中の現場を見たほうが、職人さんの雰囲気や仕事ぶりもわかるので依頼先の選定としては、効果はあると言えます。

基本的に現場をきれいにしていない、できない職人さんを使っている会社は、丁寧や好印象とはならないので、依頼することを考え直した方が賢明かもしれません。 もし気に入った大工さんがいれば、その人を指定するのもひとつの方法といえるでしょう。

『　工法などが特殊で・・・　』　とか　『　親切だから・・・　』　『　新築したところだから間違いない！』　と思われ、ハウスメーカーなどの新築のメンテナンス部にリフォームの提案や価格も比較もしないで、ご依頼される方も多いようですが、それら全てを否定をしませんが、これまでのその会社の対応をチェックしてみてください。

以前は、メンテナンスなど全く来なかったのに急によく来るようになったり、まだ、見積もり段階なのに『　大工を連れて来ます　』といった対応をするような会社は、今一度依頼先として、よく考えてご判断されたほうがいいかと思います。

もちろん工法の不備など特殊なことであれば、元請けであるハウスメーカーに対応を言うべきですが、屋根の葺き替えや外壁の塗り替え、設備の交換やクロスの張り替えなどは、基本的に数社で比較検討するべきかと思います。

一部のハウスメーカーを除く企業はとかく、新築市場が冷えた時に　リフォームを強化するということが繰り返され、リフォームのスタッフも新築建替え部門で使えなかった営業マンがリフォームに転属されたりしているケースが多いのもので、そんな体制づくりが果たして、本当にお客さまの事を思っているといえるのでしょうか？

その企業が、本当にお客さまのことを思うのであれば、新築引き渡し時からしっかりしたフォロー体制は、できているはず。

またそのメンテナンス部にリフォームを依頼したとしても競合先がなく、商談にも価格にも〝緊張感〟がないので、結果的に頼むこととしても、必ず他社との見積り比較は、怠らないようにしてください。それだけで驚く金額の差が生じます。

特にデザインリフォームを希望する方は、簡単に判断ができる方法があります。

それは、手元に届く資料やホームページである程度その会社の実力は、判断ができます。

まずその会社が、リフォームを得意としているのか？新築専門なのか？

意外にも、ビルや学校といった建物や建売分譲などの不動産系が専門だったり・・・　

おそらく　資料やホームページに施工例などを掲載しているぐらいですので、その実例には自信を持っているからなのでしょう。

となれば、あなたはその実例を見たうえで、ご自分の感性を信じて判断されればいいと思います。 

しかし、現実は、大工さんがホームページを持っていないという感覚でもおわかりのように、ホームページだけで判断できない熱心で丁寧な会社などは、たくさん存在しているのも現実なのです。

ホームページの良しあしだけでリフォーム会社の良しあしが判断ができないのも事実なのです。